暁の空に響け ／たなか智保

取れたてほやほやのお話をしましょう。


皆様ご存知のことと思いますが我が家には3匹の猫がおります。
そのうちオス2匹は大変な甘えん坊で、
1匹は8kg以上、もう1匹は6kgほどあります。
そやつらが、明け方になると毎日毎日私を起こそうとします。
10歳以上になるので、それなりに口臭もあり、
人間だったら間違いなくポリデントを強制執行するのですが
にゃんこ故にそんな暴挙もまかりなりません。
臭いペロペロ、加えて痛いザラザラ舌攻撃に耐えていても、
時には嫌がらせの一環で、気軽にマーキングしてくれます。
本当に泣けます。

今朝もその攻撃に耐えていると、
ザラザラ攻撃がいつもより執拗になり、とうとう私の怒りが爆発しました。

今はまだ寒い時期です。
寒がりの為、布団に2枚重ねのダブル用毛布を使っています。
およそ片手で持つには耐えられない重さです。
しかしながら。

「うぬれわーっっ！！！」

ぐおおおおお！！と、奴等が乗っかっている毛布ごと、
猫を引っぺがし、足元へひっくり返してやりました。
その瞬間。

毛布をひっつかんだ左手の奥が、「ぴしっ」。
肩の付け根から、淡い音が響いてきました。



記憶が飛びました。



次に目覚めると、目覚まし時計は7時を指しています。
アラームを止めようと、左手を伸ばした途端、肩が固まりました。
呼吸と共に、刺すような鈍い痛みが。

………ああ…。
ゆっくりと何事がおきたのかを理解しました。
ベッドの中でぎりぎりまで呼吸法で身体をほぐし、
ようやくふらふらと起き上がると、
猫どもは喜んでまとわりつき、難なく餌にありつきました。
私は難ばかりで筋を違えました。


……勝てねえ…
勝てねえっす。勝てねえっすよお～（T＝T）