それはママのごはんです ／たなか智保

うちのニャンコが大フィーバーを起こしました。


朝食にライ麦ロールパンを食べていたところ、
通りがかりの黒ちゃんの足が、ピタリと止まりました。

空気中の何かの匂いを必死に嗅いでいます。
ヒクヒクと鼻を動かしながらこちらへ、
にじにじ。にじにじ。


･･･？何だ？
滅多に無い動きだったので不審に思い、
ロールパンを口に咥えたまま黒ちゃんを抱き上げた、ところ。

くわっと。

まるで、海の天使クリオネが餌を捕獲する瞬間のように。
普段はカワユイ黒ちゃんが鬼婆にように、
くわっと顎までその口を開き、その次の瞬間。


ロールパンにかぶりつきました。




･･････････････。
･････？


なんだこれは。



猫って、ロールパン食べるっけ？




変な図です。
朝の爽やかな光の中。
抱き上げられた猫と、その飼い主が
一個のロールパンに同時にかぶりついている。
そして、静止。


その後、黒ちゃんは歯ごたえが気に入らなかったのか、
顎をおっくおっくさせながら一瞬ロールパンから離れましたが、
鼻息をフンフンいわせ、パンを手放そうとはしませんでした。

過去にロールパンなんて幾つも食べているのに。
ライ麦だから？ライ麦だからなの？
ライ麦って、猫の好物なの？
しかしこの興奮の仕方は、マタタビ並。
ライ麦とマタタビって、同じ種族なんだろうか。


頭の中はハテナだらけになりましたが、
とにかく黒ちゃんがパンから離れてくれず。
試しにちぎって投げるとフリスビーを追う犬状態。


致し方なく。

朝食が半分になりました･･･（泣）